とび・土工・コンクリート工事とは?建設業許可申請における重要ポイント
建設業界で活躍する皆様、こんにちは。今回は、建設業許可申請において重要な「とび・土工・コンクリート工事」について詳しく解説していきます。
とび・土工・コンクリート工事の概要
とび・土工・コンクリート工事は、建設業許可29業種の中でも特に工事範囲が広い業種の一つです。基礎的または準備的な工事が多く含まれるため、様々な建設プロジェクトで重要な役割を果たします。 ([1]国土交通省:建設業の許可とは)
それでは、とび・土工・コンクリート工事における建設工事の内容、例示、区分の考え方について、順を追って詳しく見ていきましょう。
①建設工事の内容
とび・土工・コンクリート工事は、主に以下の5つの内容に分類されます。 ([2]国土交通省:建設業法における建設工事の種類に関する解釈通達)
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
- くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
- 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
- コンクリートにより工作物を築造する工事
- その他基礎的ないしは準備的工事
これらの内容について、さらに詳しく見ていきましょう。
1. 足場の組立て、重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て
この分類には、建設現場の準備や基礎的な作業が含まれます。具体的には:
- 足場の組立て:作業員が安全に高所作業を行うための仮設構造物の設置
- 重量物の運搬配置:クレーン等を使用して大型の機械や資材を適切な場所に配置する作業
- 鉄骨等の組立て:建築物や構造物の骨組みとなる鉄骨部材を組み立てる作業
これらの作業は、建設プロジェクトの初期段階で重要な役割を果たします。
2. くい打ち、くい抜き及び場所打ぐい工事
この分類は、建築物や構造物の基礎を形成する重要な工事です。
- くい打ち:地盤に杭を打ち込む作業
- くい抜き:既存の杭を取り除く作業
- 場所打ぐい:現場で直接コンクリートを流し込んで杭を形成する作業
これらの工事は、建築物の安定性と耐久性を確保するために不可欠です。
3. 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等
この分類は、地盤の整備や造成に関わる工事です。
- 掘削:建設予定地の土砂を掘り出す作業
- 盛上げ:必要な箇所に土砂を積み上げる作業
- 締固め:土砂を圧縮して地盤を安定させる作業
これらの工事は、建設現場の地盤を適切に準備し、後続の工事のための基礎を整えます。
4. コンクリートによる工作物の築造
この分類は、コンクリートを使用して様々な構造物を建設する工事です。
- コンクリート打設:型枠にコンクリートを流し込む作業
- コンクリート圧送:ポンプを使用してコンクリートを運搬・配置する作業
- プレストレストコンクリート工事:コンクリートに予め応力を加えて強度を高める特殊な工法
これらの工事は、建築物や土木構造物の主要部分を形成する上で重要です。
5. その他基礎的ないしは準備的工事
この分類には、上記4つに含まれない様々な基礎的・準備的工事が含まれます。
- 地盤改良工事:地盤の強度や安定性を向上させる工事
- 土留め工事:掘削した地盤の崩壊を防ぐための工事
- 仮締切り工事:水中や軟弱地盤での工事を可能にするための仮設工事
これらの工事は、主要な建設作業を安全かつ効率的に進めるための準備段階として重要です。
②建設工事の例示
とび・土工・コンクリート工事には、多岐にわたる工事が含まれます。以下に、具体的な例を挙げて説明します。
1. 足場の組立て、重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て関連
- とび工事:高所での作業や重量物の取り扱いを行う工事
- ひき工事:重量物を引っ張って移動させる工事
- 足場等仮設工事:作業用の足場や仮設構造物を設置する工事
- 重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事:クレーンを使用して重量物を移動・設置する工事
- 鉄骨組立て工事:鉄骨部材を組み立てて建築物の骨組みを形成する工事
- コンクリートブロック据付け工事:大型のコンクリートブロックを設置する工事
2. くい打ち、くい抜き及び場所打ぐい工事関連
- くい工事:杭を使用した基礎工事全般
- くい打ち工事:地盤に杭を打ち込む工事
- くい抜き工事:既存の杭を取り除く作業
- 場所打ぐい工事:現場で直接コンクリートを流し込んで杭を形成する工事
3. 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等関連
- 土工事:土砂の掘削、運搬、盛土などを行う工事
- 掘削工事:地盤を掘り下げる工事
- 根切り工事:建築物の基礎部分を掘削する工事
- 発破工事:爆薬を使用して岩盤などを破砕する工事
- 盛土工事:土砂を積み上げて地盤の高さを調整する工事
4. コンクリートによる工作物の築造関連
- コンクリート工事:コンクリートを使用した工事全般
- コンクリート打設工事:型枠にコンクリートを流し込む工事
- コンクリート圧送工事:ポンプを使用してコンクリートを運搬・配置する工事
- プレストレストコンクリート工事:コンクリートに予め応力を加えて強度を高める工事
5. その他基礎的ないしは準備的工事関連
- 地すべり防止工事:地すべりの危険がある斜面を安定させる工事
- 地盤改良工事:地盤の強度や安定性を向上させる工事
- ボーリンググラウト工事:地盤に穴を開けて薬液等を注入し、地盤を強化する工事
- 土留め工事:掘削した地盤の崩壊を防ぐための工事
- 仮締切り工事:水中や軟弱地盤での工事を可能にするための仮設工事
- 吹付け工事:モルタルや種子を吹き付けて法面を保護する工事
- 法面保護工事:斜面の崩壊を防止するための工事
- 道路付属物設置工事:道路標識やガードレールなどを設置する工事
- 屋外広告物設置工事:看板などの屋外広告物を設置する工事
- 捨石工事:水中に石を投入して基礎を形成する工事
- 外構工事:建築物の周囲の環境を整備する工事
- はつり工事:コンクリートの表面を削る工事
- 切断穿孔工事:コンクリートや鋼材に穴を開ける工事
- アンカー工事:構造物を地盤や他の構造物に固定する工事
- あと施工アンカー工事:既存の構造物にアンカーを後付けする工事
- 潜水工事:水中で行う各種工事
これらの例示は、とび・土工・コンクリート工事の多様性と幅広い適用範囲を示しています。建設プロジェクトの様々な段階で、これらの工事が重要な役割を果たしていることがわかります。
③建設工事の区分の考え方
とび・土工・コンクリート工事は、他の建設業許可業種と重複する部分があります。そのため、工事の区分を正確に理解することが重要です。以下に、主要な区分の考え方を説明します。 ([2]国土交通省:建設業法における建設工事の種類に関する解釈通達)
1. コンクリートブロック据付け工事の区分
コンクリートブロック工事は、その目的や規模によって異なる業種に分類されます。
- とび・土工・コンクリート工事:
- 根固めブロック、消波ブロックの据付け等、土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事
- プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事
- 石工事:
- 建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事
- 法面処理や擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事
- タイル・れんが・ブロック工事:
- コンクリートブロックにより建築物を建設する工事
- エクステリア工事としてコンクリートブロックを使用する工事 (※)
(※) エクステリア工事は、その内容によってとび・土工・コンクリート工事に分類される場合もあります。
2. 鉄骨工事の区分
鉄骨工事は、作業の範囲によって異なる業種に分類されます。
- とび・土工・コンクリート工事:
- 既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う工事
- 鋼構造物工事:
- 鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う工事 (※)
(※) 鉄骨の製作・加工を下請けに出している場合でも、鋼構造物工事に分類されることがあります。
3. プレストレストコンクリート工事の区分
プレストレストコンクリート工事は、その規模と目的によって分類が異なります。
- とび・土工・コンクリート工事:
- 一般的なプレストレストコンクリート工事 (※)
- 土木一式工事:
- 橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事
(※) プレストレストコンクリート工事単体で請け負う場合は、とび・土工・コンクリート工事に分類されることがあります。
4. 地盤改良工事の定義
地盤改良工事は、とび・土工・コンクリート工事に含まれる広範な工事カテゴリーです。
- 薬液注入工事
- ウエルポイント工事
- その他各種の地盤改良を行う工事
5. 吹付け工事の区分
吹付け工事は、その目的と対象によって異なる業種に分類されます。
- とび・土工・コンクリート工事:
- モルタル吹付け工事:法面処理等のためにモルタルを吹き付ける工事
- 種子吹付け工事:法面処理等のために種子を吹き付ける工事
- 左官工事:
- 建築物に対するモルタル等の吹付け工事
6. 法面保護工事の定義
法面保護工事は、とび・土工・コンクリート工事に含まれる工事で、主に以下の作業を指します。
- 法枠の設置等により法面の崩壊を防止する工事
7. 道路付属物設置工事の例
道路付属物設置工事には、以下のような工事が含まれます。
- 道路標識の設置工事
- ガードレールの設置工事
8. 屋外広告物設置工事の区分
屋外広告物に関する工事は、作業の範囲や広告物の種類によって異なる業種に分類されます。
- とび・土工・コンクリート工事:
- 既製の屋外広告物を設置する工事 (※)
- 鋼構造物工事:
- 現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負う工事
- 電気工事業:
- 屋外広告物の電気配線工事
(※) 設置する屋外広告物の種類や設置方法によっては、鋼構造物工事や電気工事業などに分類される場合があります。
9. 防水工事の区分
防水工事は、その対象によって異なる業種に分類されます。
- とび・土工・コンクリート工事:
- トンネル防水工事等の土木系の防水工事
- 防水工事:
- 建築物の屋根、壁等の防水を行う工事
10. はつり工事の区分
はつり工事は、その目的と規模によって異なる業種に分類されます。
- とび・土工・コンクリート工事:
- 建築物等の解体や改修を目的とした大規模なはつり工事
- 左官工事:
- 建築物の内外装仕上げに伴う小規模なはつり工事
11. 切断穿孔工事の定義
切断穿孔工事は、とび・土工・コンクリート工事に含まれる工事で、主に以下の作業を指します。
- コンクリート、鋼材等の切断
- コンクリート等への穴あけ
12. アンカー工事の定義
アンカー工事は、とび・土工・コンクリート工事に含まれる工事で、主に以下の作業を指します。
- 構造物を地盤に固定するために、アンカーを設置する工事
- 構造物を他の構造物に固定するために、アンカーを設置する工事
13. あと施工アンカー工事の定義
あと施工アンカー工事は、とび・土工・コンクリート工事に含まれる工事で、主に以下の作業を指します。
- 既存の構造物にアンカーを後付けで設置する工事
14. 潜水工事の定義
潜水工事は、とび・土工・コンクリート工事に含まれる工事で、主に以下の作業を指します。
- 水中で行う各種の工事
④とび・土工・コンクリート工事の重要性と注意点
以上、とび・土工・コンクリート工事の内容、例示、区分の考え方について詳しく見てきました。この業種は建設業許可29業種の中でも特に広範囲な工事を含んでおり、建設プロジェクトの基礎的・準備的な段階で重要な役割を果たしています。
とび・土工・コンクリート工事の特徴をまとめると、以下のようになります。
- 多様性: 足場の組立てから地盤改良、コンクリート工事まで、幅広い工事を含む
- 基礎性: 多くの建設プロジェクトの初期段階で必要とされる
- 専門性: 各工事に高度な技術と経験が要求される
- 安全性: 作業員の安全確保が特に重要
- 他業種との関連性: 他の建設業許可業種と重複する部分が多い
建設業許可の申請において、とび・土工・コンクリート工事を選択する際は、以下の点に注意が必要です。
- 業務範囲の正確な把握: 自社が行う工事が確実にとび・土工・コンクリート工事に該当するか確認する。([2]国土交通省:建設業法における建設工事の種類に関する解釈通達)
- 技術者の確保: 必要な資格を持つ技術者を適切に配置する。([1]国土交通省:建設業の許可とは)
- 設備・機材の準備: 多様な工事に対応できる設備や機材を用意する。
- 安全管理体制の構築: 高所作業や重機操作など、危険を伴う作業が多いため、徹底した安全管理が必要。
- 他業種との区分の理解: 他の建設業許可業種との境界線を正確に理解し、必要に応じて複数の許可を取得する。([2]国土交通省:建設業法における建設工事の種類に関する解釈通達)
まとめ
とび・土工・コンクリート工事は、建設プロジェクトの成功に不可欠な業種です。この業種の重要性を理解し、適切に業務を遂行することで、安全で品質の高い建設工事に貢献することができます。
建設業許可の申請を検討している方々は、自社の事業内容をよく吟味し、とび・土工・コンクリート工事の許可が必要かどうかを慎重に判断してください。また、許可取得後も常に最新の法規制や技術動向に注意を払い、適切な業務遂行に努めることが重要です。
建設業界は常に変化しており、新しい技術や工法が次々と登場しています。とび・土工・コンクリート工事に携わる事業者は、これらの変化に柔軟に対応し、継続的な技術向上と品質管理に努めることが求められます。
最後に、建設業許可の申請や更新に関しては、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。複雑な法規制や手続きを正確に理解し、スムーズな申請プロセスを実現するためには、経験豊富な行政書士や建設業コンサルタントの支援が有効です。
関連情報
- 国土交通省:建設業の許可とは (https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html)
- 国土交通省:建設業法における建設工事の種類に関する解釈通達 (https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf)