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三次市・庄原市・安芸高田市の建設業の皆さまへ 建設業許可における建築一式工事とは?

目次

建設業許可における建築一式工事とは?他の業種との違いを徹底解説

建設業界で事業を展開する際、建設業許可の取得は避けて通れない重要なステップです。その中でも、「建築一式工事」という業種は多くの方から注目されていますが、その実態や他の業種との違いについては誤解されていることも少なくありません。今回は、建設業許可における建築一式工事の定義や特徴、そして他の業種との違いについて詳しく解説していきます。

建築一式工事の定義

建築一式工事とは、建設業法において定義される29の建設工事の種類(業種)のうちの1つです。具体的には、「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」と定義されています(建設業法施行令第2条)。国土交通省のWebサイトでは、これを「建築物を建設する工事で、総合的な企画、指導及び調整が必要なもの」と表現しています。

この定義からわかるように、建築一式工事は単に建物を建てる工事というだけではなく、以下の特徴を持っています:

  1. 総合的な企画が必要
  2. 指導・調整の役割を担う
  3. 建築物全体の建設を扱う

つまり、建築一式工事は建物の建設に関わる様々な工程を統括し、全体を管理する立場にある工事を指します。

建築一式工事の具体例

建築一式工事に該当する具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます:

  1. 一棟の住宅建設を一式として請け負う工事
  2. 建築確認を必要とする新築工事
  3. 建築確認を必要とする増改築工事
  4. 大規模な建築物(ビルやショッピングモールなど)の建設工事

これらの工事は、複数の専門工事を組み合わせて行う必要があり、総合的な管理と調整が求められるため、建築一式工事に分類されます。

注意! 大規模建築物の解体工事は、建築一式工事ではなく、「とび・土工・コンクリート工事」に該当する場合があります。解体工事については、建築物と土木工作物でそれぞれ該当する業種が異なるため、注意が必要です。(参考:国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf) p.73)

建築一式工事と他の業種との違い

建築一式工事は、他の建設業許可の業種と比較して特殊な位置づけにあります。ここでは、主な違いについて詳しく見ていきましょう。

1. 専門工事との違い

建設業許可の業種は、大きく分けて「一式工事」と「専門工事」に分類されます。建築一式工事は一式工事に属し、他の27の業種は専門工事に分類されます。

専門工事の例:

  • 大工工事
  • 左官工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 電気工事
  • 管工事
  • 内装仕上工事 など

建築一式工事と専門工事の主な違いは以下の通りです:

  1. 工事の規模と複雑さ 建築一式工事は大規模かつ複雑な工事を対象とし、専門工事は比較的小規模で特定の専門分野に特化した工事を指します。
  2. 元請けと下請けの立場 建築一式工事は原則として元請けの立場で行われ、専門工事は下請けとして行われることが多いです。
  3. マネジメントの必要性 建築一式工事では、複数の専門工事を統括し、全体を管理するマネジメント能力が求められます。一方、専門工事では特定の分野における技術力が重視されます。
  4. 許可が必要となる金額の基準 建築一式工事の場合、1件の請負代金が1,500万円以上(税込)の工事、または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事を行う場合に許可が必要です。一方、専門工事の場合は1件の請負代金が500万円以上(税込)の工事を行う場合に許可が必要となります。(参考:国土交通省「建設業許可」 [無効な URL を削除しました] )

2. 土木一式工事との違い

建築一式工事と並んで一式工事に分類されるのが土木一式工事です。両者は似ているようで異なる特徴を持っています。

土木一式工事の定義: 「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事」(建設業法施行令第2条)

土木一式工事の具体例:

  • ダム建設工事
  • トンネル建設工事
  • 橋梁建設工事
  • 高速道路建設工事
  • 鉄道軌道建設工事(元請けの場合)
  • 区画整理事業
  • 道路・団地等の造成工事(個人住宅の造成は除く)
  • 公道下の下水道工事(上水道は含まない) (参考:国土交通省「建設業法における建設工事の種類」 [無効な URL を削除しました] )

建築一式工事と土木一式工事の主な違いは以下の通りです:

  1. 対象となる構造物 建築一式工事は主に建築物(家屋、ビル、マンションなど)を対象とし、土木一式工事は土木工作物(道路、橋、ダムなど)を対象とします。
  2. 工事の性質 建築一式工事は主に地上に構造物を建設する工事が多いのに対し、土木一式工事は地形の改変や地下工事、水中工事なども含みます。
  3. 使用する技術や機械 建築一式工事と土木一式工事では、使用する技術や機械設備が異なる場合が多くあります。
  4. 関連法規 建築一式工事は主に建築基準法などの建築関連法規の適用を受けますが、土木一式工事は道路法や河川法など、工事の種類によって様々な法規の適用を受けます。

3. 建築一式工事の許可で行える工事の範囲

建築一式工事の許可を取得したからといって、建築に関するすべての工事を行えるわけではありません。これは多くの人が誤解している点です。

建築一式工事の許可で行える工事:

  1. 総合的な企画、指導、調整が必要な大規模かつ複雑な建築工事
  2. 建築一式工事に含まれる専門工事(ただし、専門技術者の配置が必要)

建築一式工事の許可では行えない工事:

  1. 専門工事のみを単独で請け負う場合(500万円以上の工事の場合)
  2. 下請けとして工事を請け負う場合

例えば、建築一式工事の許可を持っている業者が、500万円以上の屋根工事のみを請け負う場合、別途屋根工事業の許可が必要となります。(参考:国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf))

建築一式工事の許可取得に必要な要件

建築一式工事の許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります:

  1. 経営業務の管理責任者 常勤の役員や事業主本人が、建設業の経営経験を有していること(建築一式工事業で5年以上、または他の建設業で7年以上)。(参考:国土交通省「建設業許可」 [無効な URL を削除しました] )
  2. 専任技術者 一般建設業の場合:
    • 1級建築施工管理技士
    • 2級建築施工管理技士(種別:建築)
    • 1級建築士
    • 2級建築士
    • 実務経験者(学歴に応じて3年から10年の実務経験が必要)
    特定建設業の場合:
  3. 財産要件 一般建設業の場合:
    • 純資産額が500万円以上、または
    • 500万円以上の資金を調達できること
    特定建設業の場合:
    • 純資産額が4,000万円以上
    • 流動比率が75%以上
    • 資本金額が2,000万円以上 (参考:国土交通省「建設業許可」 [無効な URL を削除しました] )

これらの要件を満たすことで、建築一式工事の許可を取得することができます。

建築一式工事における注意点

建築一式工事の許可を取得し、事業を展開する際には以下の点に注意が必要です:

  1. 一括下請負(丸投げ)の禁止 建築一式工事を請け負った場合、その工事全体を一括して他の業者に下請けに出すこと(丸投げ)は原則として禁止されています。(参考:建設業法 第22条)
  2. 専門工事の扱い 建築一式工事の中に含まれる専門工事を自社で行う場合、その専門工事に対応する専門技術者を配置する必要があります。(参考:建設業法 第26条)
  3. 下請けとしての工事 建築一式工事の許可を持っていても、下請けとして工事を請け負う場合は、専門工事の許可が必要となる場合があります。(参考:国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf))
  4. 小規模なリフォーム工事 建築確認を必要としないような小規模なリフォーム工事は、多くの場合「内装仕上工事」に該当し、建築一式工事ではありません。(参考:国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf))
  5. 経営事項審査 公共工事の入札に参加する場合、経営事項審査を受ける必要があります。建築一式工事の完成工事高や技術者の数などが評価の対象となります。

まとめ

建築一式工事は、建設業許可の中でも特殊な位置づけにある業種です。総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する大規模かつ複雑な工事を指し、主に元請けとして工事全体を管理する立場にあります。

専門工事や土木一式工事とは異なる特徴を持ち、許可を取得するための要件も他の業種とは異なる部分があります。また、建築一式工事の許可を持っていても、すべての建築関連工事が行えるわけではないという点に注意が必要です。

建設業を営む上で、自社の事業内容に最も適した業種の許可を取得することが重要です。建築一式工事の許可が必要かどうかは、請け負う工事の規模や内容、自社の立場(元請けか下請けか)などを総合的に判断して決める必要があります。

適切な許可を取得し、法令を遵守しながら事業を展開することで、建設業界での成功につながるでしょう。建築一式工事の特徴や他の業種との違いを正しく理解し、自社の事業戦略に活かしていくことが大切です。

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